サカイ産業株式会社様
CDGM導入企業の概要
産業用繊維資材の開発・成型加工を行う中小企業で、2007年3月よりCDGM活動を開始した。
社長自らがチーム参加することで活動を盛り上げ、現在では本社・各工場でも広く実施されている。
2007年度には、利益目標を超過達成し、年3回目のボーナスが社員に支給されるまでにいたっている。
事業内容 | 航空・宇宙分野から医療、スポーツ分野にわたり利用される産業用繊維資材の開発、成形加工会社 |
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社員数 | 約300名 |
CDGM導入時期 |
2007年3月 |
CDGM導入内容 |
・社長が自らチームを組成し、CDGMに参加 |
CDGM効果 | ・2007年度 目標利益を150%達成し、臨時賞与が支給された |
CDGM導入の背景
現社長は、2年前に前社長からの引継ぎがないまま急遽社長に就任。現場の意見・主体性を尊重した経営を志したものの、前社長の強力なトップダウン経営に慣れてしまっている社員は受身になっており、声をかけ話しを聞こうとしても、不満ばかりで問題解決のための話しを聞くことはできない状態だった。このようにトップと現場の不確実な信頼関係の中、どのように経営すべきなのか?について社長は、日々、頭を悩ませていた。
CDGM導入の背景(続き)
そんな折、あるセミナーで同社社長は、吉田教授に出会い「CDGMは当社に必要な経営方法だ」と判断し、すぐに社内でCDGM活動を開始することを決心。吉田教授から紹介してもらった外部ファシリテーターに参画してもらい、社長も"腕まくり"で毎回のラウンドテーブルに参加することで活動を盛り上げる。その甲斐あり、現場の共感を生み、同じ部署でチームを作る人もいれば、他部署との混合チームで参加する人もおり、全社活動として大いに盛り上がりをみせている。(2008年8月現在、第3ラウンド実施中で、21チーム128名が活動に参加)
同社におけるラウンドテーブル運用のイメージ
小集団による問題解決活動と月1回のラウンドテーブルによって、CDGMが運用されている。小集団活動では、部署内の問題や部門間の問題がテーマとして取り上げられ、問題解決のための検討がなされる。ラウンドテーブルでは、社長と各小集団が一同に会して、社内全体の問題を共有し、トップも巻き込み問題解決を行っている。
CDGM活動の効果
活動メンバー同士が協調関係になることで知恵が創出され、改善活動を通じてメンバーが主体的になった。こうした前向きな雰囲気が活動メンバーの周囲の人たちにも伝播し、社員が臆せず意見を言う組織風土が形成されつつある。
参加者の感想
活動メンバーの感想を見てみると「前向きになった」、「仲間と協力して問題を解決することの楽しみを知った」、「他部署の活動を知る機会になり部門間の仕事がスムーズになった」など、受身だった社員の積極性や主体性が引き出されていることが見てとれる。
活動テーマの一例
生産管理、知識共有、マニュアル整備、事務の見直しなど、すべての業務領域において現場の主体的な合理化・効率化活動が進められている。
同社社長の感想
毎回出席するラウンドテーブルを通じて、現場の抱いている問題意識を網羅的に把握でき、それらを一緒に解決することで現場との信頼関係を醸成することができた。こうした活動を継続することにより、社員の笑顔が増え、社内のコミュニケーションが活発化したことも大きな副産物であり、同社の経営に必要不可欠なものになっている。
「CDGMを行う前は、社内全体の把握は難しいものでした。社員は、不満をもっているようでしたが、
どこが問題なのか、何をすればよいのかも分からずにいました。」
「CDGMを導入し、毎回出席するラウンドテーブルの中で、社員の中にある不満や問題が徐々に見え始め、
問題に対し行動することが出来るようになりました。CDGMの中だけでなく、社員から意見を聞くことができ
るようになったのも大きな収穫であると思っています。」
「就任直後は、社員から意見を聞こうとしても何も応えてはもらえませんでした。それまでトップダウンでの
経営の中で、社員が意見を言うことを躊躇するようになっていたのだと思います。意見を言っても
受け入れられないと考えていたのでしょう。」
「CDGMを始めることにより、会社が意見を聞いてくれるということが社員に伝わったのだと思います。現在は、
社員の笑顔が増え、社内のコミュニケーションも多くなったように感じます。CDGMは、わが社の経営に
必要不可欠なものとなっています。」